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序言(2ページ) 分子研リポート2010 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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序言 1

1.序   言

分子科学研究所は,分子科学の研究の中核拠点として実験的研究および理論的研究を行うとともに,広く研究者の 共同利用に供することを目的として1975年に設立された大学共同利用機関です。現在,理論・計算分子科学,光分 子科学,物質分子科学,生命・錯体分子科学の4つの研究領域と,極端紫外光研究施設を始めとする7つの研究施設 を擁し,分子の構造と反応と機能についての先鋭的な基礎研究を進め,分子の新たな可能性を探っています。

このレポートには,平成22年における各研究グループ(現在37名の P I がいます)と,研究所全体の活動状況が 述べてあります。また,研究所全体の特別プロジェクトとして(1)次世代スーパーコンピュータプロジェクト ナ ノ分野グランドチャレンジ研究開発,(2)ナノテクノロジーネットワークプログラム,(3)理研と共同しエクストリー ム研究の推進,(4)物材研等と共同での分子・物質シミュレーション中核拠点形成,(5)「量子ビーム基盤技術開発 プログラム」,(6)「最先端の光の創成を目指したネットワーク研究拠点プログラム」.等が進行中です。

また,国際的事業として特にアジア関係の2つのプログラム,すなわち(1)アジア研究教育拠点事業(アジアコア; 日本学術振興会)と(2)21世紀東アジア青少年大交流計画(J E N E S Y S . Program;日本国際協力センター),を遂行 しています。前者は,アジア諸国の研究教育拠点機関をつなぎ,物質・光・理論分子科学のフロンティア分野におけ る研究教育拠点の構築とともに次世代の中核を担う若手研究者の養成を目的とする事業であり,後者は,東アジアの 学生,若い研究者の招聘,教育,研究の実施,また現地との交流などを行っています。J E N E S Y S . P rog ram は,平成 22年10月からプログラムが(一時的に)終了し,現在は分子研独自のプログラム E X OD A S S (post- J E NE S S Y S )と して新たな展開を計っています。

分子科学研究所は,現在大きな転換期にあります。分子の構造,その変化,反応過程の理解が進み,また,高次な 構造性と反応性に富む分子を創れるようになってきています。更に現在,反応のダイナミックス,電子の位相の自由 なコントロールに迫りつつあります。また,これからの新しい研究の方向として,多種の分子が調和して創りだす反 応の流れ,そこにおける分子間のコミュニケーションの仕方など,生命を成り立たせている分子の働きの解明,高次 分子システムによる完全にグリーンな反応過程の構築,高効率な分子によるエネルギー変換・イオン伝導の原理の解 明など,ミクロとマクロの領域をつなぐ分子科学が重要になってきています。このような階層性の高い分子機能の発 現機構をさぐる「ポストナノ」分子科学を,これから分子科学研究所の研究の重要な柱の一つとしていきたいと考え ています。同時に分子系の超精密制御(超短時間制御)や超微細構造分子計測,分子のエクストリームな状態などに 関する研究は,分子科学研究所が長年培ってきた誇るべきものであり,「ポストナノ」の研究とともに大きく発展さ せていきたいと思います。人事面では,光分子科学第三研究部門の菱川明栄准教授が名古屋大学理学研究科(化学) の教授に転出しました。一方,理研の研究員であった藤貴夫氏が先端レーザー開発研究部門の准教授に就任していま す。ここ2年間余に分子研の教授18名のうち7名が定年を迎えるという,大きな転換期にあります。人事面のみな らず研究システム,すなわち研究ユニットのあり方,独立した若い人をプロモートするシステムなど,の改革を行っ ていきたいと考えています。

(2)

2 序言

この様な変革期にあって,カルフォルニア大学バークレイ校の副学長(研究担当)の Graham.F leming 教授と大阪大 学の柳田敏雄特任教授に研究顧問をお願いしました。F l emi ng 教授には,昨年末5日間に渡り各研究グループの研究 のヒヤリング評価,さらに研究所のシステム,プロジェクト研究の進め方,研究の将来構想などに提言を頂きました。 また,外国人運営顧問である,英国ノッティンガム大学の A nthony. J .. S tac e 教授,フランスのストラスブルグ大学の J ean-Pierre.S auvage 教授にも同様の評価とアドバイスを頂いております。

この岡崎から次世代の核となる学問を生みだし,世界のトップインスティテュートとして輝いていくべき新たな出 発点に分子科学研究所はいま立っています。皆様のご支援とご協力をお願いいたします。

平成23年3月 自然科学研究機構 分子科学研究所 所長 大峯 巖

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